ビルメン4点セットとは?【必要な資格と取る順番を10年経験者が解説】
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ビルメンに転職しようと調べ始めると、必ず「4点セット」という言葉にぶつかります。
私も入社前に見ました。ただ、当時いくら調べても分からなかったのが「それは絶対に必要なのか」ということでした。持っていないと採用されないのか、入ってからでいいのか。誰も明確に書いてくれていませんでした。
10年やって、その答えははっきり出ています。先に書いておくと、4点セットは入社前に必須ではありません。ただし、持っていないと確実に損をします。その理由と、何をどの順番で取るべきかを全部書きます。
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ビルメン4点セットとは【4つの国家資格の総称】
ビルメン4点セットとは、設備管理の仕事で基礎になる4つの国家資格の総称です。業界用語で、正式な制度名ではありません。
| 資格 | 直近の合格率 | 受験料 | 試験回数 |
|---|---|---|---|
| 第二種電気工事士 | 学科 約59% 技能 約72% |
11,100円 (ネット申込) |
年2回 |
| 危険物乙4 | 約31.9% | 5,300円 | 都道府県により年数回〜10回超 |
| 2級ボイラー技士 | 約52.9% | 8,800円 | 毎月 (各安全衛生技術センター) |
| 第三種冷凍機械責任者 | 約45.0% | 9,800円 (電子申請) |
年1回のみ (11月第2日曜) |

【ここが大事】合格率だけ見ると、一番難しいのは危険物乙4(31.9%)です。意外に思うかもしれませんが、乙4は受験者数が多く、記念受験や準備不足の人も多いため数字が下がります。実感としての難易度は後で書きます。
受験料は4つ合計で約35,000円
意外と語られないのがお金の話です。4つ全部受けると合計35,000円かかります。ここに交通費とテキスト代が乗ります。
しかも一発合格が前提の金額です。落ちれば都度かかります。私は冷凍機械を1回落としているので、実際には4万円近く払いました。
ただし受験料を会社が負担してくれる現場も多いです。合格したら全額支給、というパターンが一般的でした。面接で聞いておく価値があります。
4点セットは入社前に必要か【結論:必須ではない】
ここが一番知りたいところだと思います。答えははっきりしています。
未経験・無資格でも採用されます
私が入社したとき、持っていた資格はゼロでした。それでも採用されています。同期にも無資格の人が複数いました。
理由は単純で、この業界は慢性的に人が足りないからです。資格を持った人だけを待っていたら現場が回りません。「入社後に取ってくれればいい」という会社がほとんどです。
未経験からの転職の実態は 未経験でビルメンに転職できる? に詳しく書いています。
ただし1つでも持っていると扱いが変わる
【正直な話】無資格でも入れますが、面接での見られ方は明確に違います。
特に第二種電気工事士を持っていると、「本気で来たんだな」と受け取られます。私は無資格で入って苦労した側なので、これから受ける人には1つだけでも先に取っておくことをすすめたいです。
逆に4つ全部を揃えてから応募する必要はまったくありません。それを待っていると1〜2年遅れます。入りながら取るのが正解です。
取る順番と、その理由
4つには明確に取るべき順番があります。難易度順ではなく、試験の回数と現場での使用頻度で決まります。
| 順番 | 資格 | この順番にする理由 |
|---|---|---|
| 1番目 | 危険物乙4 | 試験回数が圧倒的に多く、いつでも受けられる。最初の成功体験を作りやすい |
| 2番目 | 第二種電気工事士 | 現場で一番使う。手当にも直結する本命 |
| 3番目 | 第三種冷凍機械責任者 | 年1回しかないので、11月から逆算して先に予定を押さえる |
| 4番目 | 2級ボイラー技士 | 毎月受けられるうえ、免許交付に別途手続きが要るので最後で困らない |
【ここが大事】ポイントは第三種冷凍機械責任者です。年1回・11月の第2日曜しか試験がありません。申込は8月中旬から9月上旬。ここを逃すと丸1年待つことになります。
私はこれで1年損しました。「そのうち受けよう」と思っていたら申込期間が過ぎていて、気づいたときには翌年11月まで受けられませんでした。4点セットで唯一、スケジュールに縛られる資格だと覚えておいてください。
難易度や手当の比較を含めた7資格全体のランキングは ビルメンのおすすめ資格ランキング7選 にまとめています。
意外な落とし穴【ボイラーは合格しても免許がもらえない】
これは知らずにハマる人が多いので、独立させて書いておきます。

2級ボイラー技士には実務経験の要件がある
2級ボイラー技士は受験自体に資格制限がありません。誰でも受けられます。ところが試験に合格しても、それだけでは免許が交付されません。
免許を受けるには、次のいずれかが必要です。
- ボイラー実技講習(20時間)を修了する(通常3日間・学科2日+実技1日)
- 6ヶ月以上のボイラー取扱いの実地修習を経る
- 学校でボイラーに関する学科を修め、3ヶ月以上の実地修習を経る
- ボイラー取扱技能講習の修了後、4ヶ月以上小規模ボイラーを取り扱う
実務経験のない未経験者が現実的に選べるのは実技講習です。日本ボイラ協会の各都道府県支部が実施しています。
【正直な話】私はこれを知らずに試験だけ受けて、合格通知を見てから「あれ、免許は」と気づきました。講習は平日3日間なので、シフトの調整が必要でした。受験前に講習の日程を押さえておくべきだったと今でも思います。
会社によっては実技講習の費用を負担してくれます。受講前に総務に確認してみてください。
💰 資格手当がいくらつく現場なのか先に知る
4点セットを揃えても、手当ゼロの会社は実際にあります。受験料の負担や手当の額は求人票に書かれていないことが多いので、エージェント経由で事前に確認するのが確実です。
1年で4つ取るための年間スケジュール
試験の実施時期が決まっているので、逆算すると1年で揃えられます。私が同僚にすすめていた組み方がこれです。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 1〜3月 | 危険物乙4を受験(都合のつく日程で) |
| 4〜7月 | 第二種電気工事士 上期(学科5月・技能7月) |
| 8〜9月 | 冷凍機械の申込(ここを逃さない)+ボイラー実技講習の予約 |
| 11月 | 第三種冷凍機械責任者を受験(第2日曜) |
| 12月 | 2級ボイラー技士を受験(毎月あるので調整しやすい) |

電気工事士を上期で落としても下期(学科10月・技能12月)で取り返せます。年2回あるのが効いてきます。
宿直のある現場なら、この勉強時間は待機時間で作れます。私は4点セットも含めて、持っている資格は全部宿直中に取りました。詳しくは ビルメンの宿直はやめとけ? に書いています。
4点セットの次に何を取るか
4つ揃えると、たいていの現場で「一通りできる人」として扱われます。ただし年収が大きく動くのはここからです。
4点セットは月0〜1万円程度の手当にしかなりません。年収を本気で上げたいなら、次は三種の神器と呼ばれる上位資格になります。
- 電験三種(第三種電気主任技術者)— 手当が月1〜3万円と桁が変わる
- ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)— 実務経験2年が必要
- エネルギー管理士 — 工場系を狙うなら
3つの難易度と取る順番は ビルメン三種の神器とは? で詳しく解説しています。
【正直な話】最後に身も蓋もないことを書きます。私は4点セットも三種の神器も全部取りましたが、年収は380万円から動きませんでした。資格を評価しない会社にいたからです。
資格は取る価値があります。ただ「取れば上がる」のではなく「評価する会社にいれば上がる」が正確です。取るのと並行して、その資格がいくらになる会社なのかを調べておいてください。
📚 あわせて読まれています
📑 データの出典
| データ | 出典 |
|---|---|
| 第二種電気工事士の合格率・受験料・試験日程 | 一般財団法人 電気技術者試験センター https://www.shiken.or.jp/ |
| 危険物取扱者乙種4類の合格率・受験料 | 一般財団法人 消防試験研究センター https://www.shoubo-shiken.or.jp/ |
| 2級ボイラー技士の合格率・受験料・免許交付要件 | 公益財団法人 安全衛生技術試験協会 https://www.exam.or.jp/ |
| ボイラー実技講習 | 一般社団法人 日本ボイラ協会 https://www.jbanet.or.jp/ |
| 第三種冷凍機械責任者の合格率・受験料・試験日 | 高圧ガス保安協会 https://www.khk.or.jp/ |
※合格率・受験料・試験日程は年度によって変わります。危険物乙4の試験回数は都道府県によって異なります。受験前に必ず各実施機関の公式サイトで最新情報をご確認ください。
