G-T6LVF8J8ZP 建設業の年収は10年で80万円上がった【2025年592万円・全産業平均超え】 - ビルメンのリアル

建設業の年収は10年で80万円上がった【2025年592万円・全産業平均超え】

建設業の年収が10年で80万円上がったことを示すアイキャッチ画像
ビルメン10年 × IT転職成功パパ

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設備管理をやっていた10年間で、一番よく覚えているのが協力業者の職人さんとの雑談だ。

私が現場に入った1年目、出入りしていた電気工事の職人さんに「日当いくらですか」と聞いたことがある。答えは「1万5千円くらいかな」だった。当時の私は手取り18万円で宿直をやっていたから、正直うらやましいとも思わなかった。夜勤があるぶん自分のほうが稼げていたからだ。

それが辞める頃には完全に逆転していた。同じ職人さんが「今は2万5千円もらってる」と言っていて、しかも人手が足りないから断るほど仕事があると。こっちは電験三種を取っても年収380万円で止まったままだった。

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この10年、建設業界の給料は本当に上がった。感覚の話ではなく、数字にはっきり出ている。

建設業の年収は10年で80万円上がった

まず数字から見てほしい。

区分 2025年の平均年収 10年間の増加額 伸び率
建設業 592.1万円 +80.8万円 +15.8%
全産業平均 545.6万円 +59.0万円 +12.1%
建設業と全産業平均の年収を2015年と2025年で比較したグラフ
建設業の年収は10年で80.8万円増え、全産業平均を上回った

建設業の平均年収は592.1万円で、全産業平均を46.5万円上回っている。2015年の水準は建設業が511.3万円、全産業平均が486.6万円だったので、10年で80.8万円増えた計算になる。伸び率も全産業平均の12.1%を上回った。

「建設業は給料が安い」というのは、もう10年前の話になっている。少なくとも平均値で見るかぎり、建設業は全産業平均より上の業界だ。

公共工事の労務単価は13年連続で上がっている

もっと分かりやすいのが、国が毎年決めている「公共工事設計労務単価」だ。これは公共工事で職人に支払われるべき日当の基準になる金額で、実際の賃金相場をかなり正確に反映している。

年度 全国全職種の平均単価(1日あたり)
2013年 18,996円
2024年 23,600円
2025年 約25,016円

2013年から2025年で約31.7%の上昇。しかも13年連続で上がり続けていて、2025年の引き上げ幅6.0%は過去11年で最大だった。

【ここが大事】13年連続というのが効いている。一時的なブームで上がったのではなく、構造的に上がり続けているということだ。冒頭で書いた「1万5千円が2万5千円になった」という職人さんの話も、この数字とだいたい一致する。

なぜ上がったのか——都心の不動産価格が職人の給料を押し上げた

ここが今回一番書きたかったところだ。建設業の給料が上がった理由は、一言でいうと「都心の不動産が高くなりすぎたから」になる。

都心の不動産高騰が建設業の給料を押し上げる流れを示した図
都心の不動産高騰が職人の賃金を押し上げる流れ

東京23区の新築マンションは10年で2.27倍になった

物件 2015年 直近 倍率
東京23区・新築マンション平均 6,732万円 1億5,313万円
(2025年10月)
約2.27倍
東京23区・中古マンション(70㎡換算) 3,816万円 6,126万円
(2023年)
約1.61倍

新築が10年で2.27倍。1億円を超えるのが当たり前になった。

で、ここからが本題だ。1億5千万円で売れる建物を建てるのに、職人に日当1万円しか払わない、という話は通らなくなる。売値が上がれば、そこから逆算して工事にかけられる金額も増える。増えた分が現場に回ってきた、というのがこの10年に起きたことだ。

建築費そのものが過去最高を更新し続けている

建設物価調査会が出している建築費指数(東京地区・鉄筋コンクリート造の集合住宅、2015年=100)を見ると、こうなっている。

  • 2024年3月:129.7(当時の過去最高)
  • 2026年6月:145.6

2015年を100として、10年ちょっとで1.45倍。資材価格も上がっているが、人件費の上昇がここに大きく乗っている。

そして職人が足りない

価格が上がっても、建てる人がいなければ工事は進まない。そしてその「建てる人」が、いま猛烈に足りていない。

  • 東京都の建設業就業者は、2020年の58万3千人から2045年には44万2千人に減る見込み(25年で14万1千人減)
  • 2024年の人手不足倒産は342件で過去最多。うち建設業が99件で業種別トップ

人が足りなくて会社が潰れる、という段階にまで来ている。裏を返せば、働ける人材の取り合いになっているということだ。給料が上がらないほうがおかしい。

【正直な話】私が現場にいた頃、職人さんの平均年齢は明らかに上がっていた。60代の親方が現役バリバリで、20代がほとんどいない。「あと10年したら誰がやるんだろう」と当時から思っていたが、その「あと10年」がちょうど今になる。

職種別の年収【2025年・どの仕事がいくらか】

「建設業」とひとくくりにしても、職種で年収はけっこう違う。2025年時点の目安がこれだ。

職種 平均年収 全職種平均(約460万円)との差
施工管理 約633万円 +173万円
電気工事士 約547.6万円 +87.6万円
とび工 約506万円 +46万円
鉄筋工 約452.4万円 ▲7.6万円
建設業の職種別平均年収を施工管理・電気工事士・とび工・鉄筋工で比較したグラフ
施工管理は全職種平均を170万円以上上回る

頭ひとつ抜けているのが施工管理だ。約633万円で、全職種平均を170万円以上上回る。現場を動かす側に回ると年収が一段上がる、という構造ははっきりしている。

職人系だと電気工事士が強い。設備管理をやっていた身からすると、これは納得しかない。電気は資格がないと絶対に触れないし、その資格を持っている人間が慢性的に足りていない。第二種電気工事士はビルメン資格の中でも最優先で取るべき資格だと書いてきたが、建設側に出ても同じように効く。

【正直な話】数字だけ見て「じゃあとび工より施工管理だ」と決めるのは早い。施工管理は年収が高いかわりに工期のプレッシャーと書類仕事の量がすごい。体力的にきついのと精神的にきついのは別物なので、自分がどっちなら耐えられるかで選んだほうがいい。

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それでも年収が上がらない人がいる【会社で決まる】

ここまで「建設業の給料は上がった」と書いてきたが、これを読んで「うちは全然上がってないぞ」と思った人もいると思う。

それも事実だ。ぶっちゃけ言うと、業界全体の相場が上がっても、自分の給料が自動で上がるわけではない。

労務単価は「国が決めた、職人に払われるべき金額」であって、元請けから下請け、孫請けと流れる途中で目減りする。上がった分がどこで止まっているかは会社次第だ。

私自身がそうだった。電験三種・ビル管理士・消防設備士甲4まで取っても、年収は380万円から動かなかった。資格が悪いのでも、努力が足りないのでもなく、その会社が資格や経験を金額に反映しない体制だったというだけの話だ。

同じ経験・同じ資格でも、会社を変えるだけで年収が100万円以上変わることは普通にある。ビルメンの年収の記事でも書いたが、これは設備管理でも建設でも変わらない。

相場を知らないまま働き続けるのが一番損

一番もったいないのが、いま自分がいくらもらえる人間なのかを知らないまま働き続けることだと思う。

業界の相場が10年で30%上がっているのに、自分の給料が5%しか上がっていないなら、その差はまるごと損失になっている。でも社内にいるかぎり、その差には気づけない。比較する相手がいないからだ。

エージェントに登録する一番の価値は、求人を紹介してもらうことより「今の自分の市場価格」を教えてもらえることにあると思っている。面談しても転職しなくていい。数字を知るだけでも意味がある。

若いうちに動くほど成功率は高い【年代別データ】

これは私が一番伝えたいことでもある。転職は、早く動いた人ほど結果が出やすい。

転職成功率は年齢とともに落ちていく

年齢 転職希望者が実際に転職できた割合
20〜24歳 60.7%
25〜29歳 50.3%
30〜34歳 41.9%
35〜39歳 41.9%
40〜44歳 36.2%
45〜49歳 36.6%
年齢別の転職成功率が20代60.7%から40代36.2%まで下がることを示すグラフ
年齢別の転職成功率と転職後の年収の伸び

20代前半は6割が転職できているのに、40代になると3割台まで落ちる。20代前半と40代前半で、成功率がほぼ2倍違う。

年収の上がり幅も若いほど大きい

転職後にどれだけ年収が上がったかも、年代で差がある。

年代 転職後の平均決定年収の伸び
20代 399万円 → 420万円(+13%
30代 495万円 → 503万円(+9%)
40代 537万円 → 558万円(+4%)

20代は+13%、40代は+4%。同じ「転職する」でも、動く年齢で3倍以上の差がつく。

【正直な話】私が転職したのは35歳だった。決して早くはない。もっと若いうちに動いていれば、380万円で止まっていた5年間はなかったと思っている。あの5年で失った金額を計算したことがあるが、あまり気分がよくないのでやめた。

ただ、40代でも年収が上がった人は半数を超えている、というデータもある。遅すぎるということはない。ただ、早いほうが有利なのは間違いない、というだけの話だ。

あとは一歩踏み出す勇気だけ

ここまで数字ばかり並べてきたので、最後は正直な話を書いておきたい。

建設業界の給料が上がっていることも、若いうちに動いたほうが得なことも、たぶん多くの人がなんとなく分かっている。それでも動かないのは、情報が足りないからではない。

今の職場に不満はあるけど、辞めるほどでもない。動くのが面倒くさい。落ちたら嫌だ。——だいたいこのあたりで止まる。私も5年止まった。

止まっていた5年間で状況が良くなったかというと、何も変わらなかった。会社は勝手に給料を上げてはくれないし、資格を取っても評価する体制がなければ意味がなかった。動いて初めて変わった。

最初の一歩は、辞表を出すことではない。エージェントに登録して、話を聞くだけでいい。それだけなら失うものは1時間くらいの時間だけで、断ってもいいし、今は転職しないと言ってもいい。

それで「あなたの経験なら今より80万円は上がりますよ」と言われるかもしれないし、「今の会社、条件いいですよ」と言われるかもしれない。どっちにしても、知らないまま働き続けるよりはるかにマシだと思う。

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10年で80万円上がった業界にいて、自分の給料だけ据え置きなら、それは業界のせいではなく場所のせいだ。場所は変えられる。

📑 データの出典

本記事の年収・単価・価格データは、以下の公的統計および各機関の公表資料をもとにしています。

記事内のデータ 出典
建設業・全産業の平均年収/職種別年収(施工管理・電気工事士・とび工・鉄筋工) 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html
公共工事設計労務単価(2013年→2025年・13年連続上昇) 国土交通省「公共工事設計労務単価について」
https://www.mlit.go.jp/tec/tec_tk_000048.html
建築費指数(東京地区・RC造集合住宅) 一般財団法人 建設物価調査会
https://www.kensetu-bukka.or.jp/
東京23区のマンション平均価格(新築・中古) 株式会社 不動産経済研究所
https://www.fudousankeizai.co.jp/mansion
人手不足倒産の件数(2024年・業種別) 株式会社 帝国データバンク「人手不足倒産の動向調査」
https://www.tdb.co.jp/report/economic/
年齢別の転職成功率 総務省統計局「労働力調査」
https://www.stat.go.jp/data/roudou/
年代別の転職後 平均決定年収 パーソルキャリア「doda 転職市場レポート」
https://www.saiyo-doda.jp/lp/report/
東京都の建設業就業者数の将来推計 東京都 公表資料
https://www.metro.tokyo.lg.jp/

※金額はいずれも調査時点の平均値です。地域・企業規模・経験年数・保有資格によって実際の金額は大きく異なります。最新の数値は各出典元の公表資料をご確認ください。

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